長方形の夢
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 アイツがいた アイツと俺は仲がいい たしか仲が良かったはずだ 実際に会ったこともある 懐かしい アイツとは 一緒に大きなことをした 2年前 ネット上で大きな楽しいことをした その時のメンバーは 俺と アイツと もう1人 たった3人だったが とても楽しいことを企画した いわゆる祭りというものだ 掲示板などでよくあったアレだ 最近そのことを思い出して 当時のサイトに行ってみた アイツとは最近会ってない もう1人とも会ってない アイツらとはネットで知り合ったが 実際に会って祭りを作り上げた その時の写真も サイトに残っている あの部屋で俺たちは運営を行った あのコピー機の前の席にアイツが座って 俺がその手前に座って もう1人が机を挟んで壁際のPCの前に座って あの頃は楽しかった たしか あの時公開し切れなかった写真や動画 背景や後日談を そのうちサイトに上げると言っていた 懐かしついでに見にいった でも なかった 確かに上げると言っていたのに なかった そういう企画物のページすらなかった 代わりにアイツが アイツのゼミの リアルでの友人たちとの写真があった 顔にモザイクがかけられてた なんで上げなかったんだろう 特に連絡はもらっていない しばらく見てると さっきの部屋の写真の中に誰も写っていない 椅子と机とPCがあるだけだ お腹がすいた 冷蔵庫からフライパンを出す カレーのようなものの作りかけのようなものがあった あの時のもう1人だった女が作ったものだ たしかアイツは「これは気に入らない」と言って 途中で半分以上捨てたんだっけ コンロに乗せて温める フライパンでカレーなんて作れるんだろうか ルーも半分以上なくなった 具材と 白い油の塊のようなカレーを温める 甘いにおいがする カレーってこんなのだっけ? そういえば あの女が作ってくれたのはもう2年も前なのに なんで残ってるんだ? 薄く広がったカレーをおたまでかき混ぜる 冷蔵庫に入れてたのに冷凍庫に入れていたように保存状態がいい 凍ってはいないけど 2年前なのにあの時のままだ やっぱり食べない方が良いんだろうか そういえばごはんも炊いてない 火を止めて買い物に行こう 今日は変な日だ 2年前のカレーが残っていたり 写真の中に人がいなかったり 祭りサイトなのに私物化されていたり 2年前と言えば2011年だ そんなに時間は経ってないのに カレーって2年も持ったっけ? そういえばアイツとはあれからしばらく会ってない あの女は元気してるのかな あの女はいるだけでなんか安心した 高架に亀裂が入っていて危なかったけど 周りの偉い人はだれも気付いていないのに気付いて 建設だか土木だか国道だかの関係者に知らせようとして でもどうやって知らせたらいいかわかんなくて その時のあの女が色々手をまわしてくれて 国のお偉いさんに納得させたんだっけ? あの女の電話は難しくてよくわからない あの部屋では事務関係をしていたはずだけど リアルで何やってる人なんだろう あの女がいるだけでいろんな案件は解決した アイツが先導してたからかもしれない 俺は 電車に乗ってたら 別の車両に見知ったやつがいた アイツだ 2年ぶりに顔を見る あの時のままだ 懐かしい 携帯に着信が入る この携帯白い 俺のじゃない 俺のは黒だ おかしいな 迷惑にならないように小さな声で出る アイツだった 俺にかけてきてくれた 久しぶり どうした なんでこっちの車両に来ない あとでまた連絡する? なんで 今会おうや 特に急いでる風でもない そうこうしてるうちに駅に着いた アイツは降りた 俺は追いかけようとした 何故だ 何故この車両はドアが開かない 急いで隣の車両にいく 人が多くて降りられない なんとか降りられた 瞬間 本当に降りていいのか 帰れなくなるんじゃないかと思った この駅で降りたことはないけど また電車は来るし買い物にいく途中だし なんで電車乗って買い物? 周りの人らはなんか空気のような 風船のような ビニールのような 白い印象を感じた マネキンみたいな 俺に感情は向けてない 電車とホームそれぞれに足を乗せたまま動こうとしない俺に アイツは向こうの方にいた まだ近い 追い付ける 速くない でも降りたら分岐してしまう 戻れない そんな気がした 付箋でも貼ろうかと思った いつもやってるだろ 付箋を貼って 注意書きして ここではこうだった セーブポイントのように なんでこんなこと思いついた 貼ってどうする 今付箋なんて持ってない 電車に付箋を貼る馬鹿の姿を想像した でも視界内にたくさんの付箋を見かけた みんな貼ってる みんな持ってる 付箋と付箋の間に沈む人の波 なんかカラフルな駅 電車 あれ?モノレールになってる なんで 幻覚だったのかな アイツが歩いていた 向こうに行ってしまう とりあえず付箋を貼ってモノレールを降りる アイツの後を追って走る 人ごみにまぎれそうになっていたアイツを追って どんどん先に行くアイツを呼びとめようと 名前を呼ぼうとして アイツの名前なんだったっけ 確か 花の名前を冠した そんな名前だったような 分かっているはずなのに 言葉が 声が出ない アイツとしか言えない そういえばあの女の名前を聞いたことがない アイツはなんて呼んでいたっけ 2年ってそんなに長かったっけ そんな昔だったっけ そんな薄い付き合いだったっけ そんなはずない あの頃は楽しかった アイツが企画して 俺がサポートして あの女がその他を手伝って ネットで会ったのに わざわざ実際にあって あの部屋で 企画して 進行して 盛り上がって 大成功して 写真も撮って 飲んで食べて笑い合って あんなに厚みのある時間だったのに 2年ってそんな長かったっけ アイツの名前すら忘れる時間だったっけ そういえば あの祭り なんて名前だったっけ そもそも そんな祭り やったっけ 確かに盛り上がったはずなのに 祭りの内容も思い出せない なんでだ なんで思い出せないんだ 夢だったのか? アイツと あの女と 俺とでやった あれは全部夢だったのかな じゃあなんでアイツ 俺に電話かけてきたんだ 夢だとしたらなんで俺と じゃあアイツなんだったんだ アイツって誰だったんだ アイツって なんだっけ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 これは夢です 投稿日に見た夢の内容をほぼそっくりそのまま文章に起こしただけです 付箋と付箋の間に沈んだあたりで夢だと気づきました 夢は記憶の整理らしいですがなんというか哲学ですね 話にもなっていませんが 変な夢を見た時に人に話したい欲あるじゃないですか アレです 倉庫に戻る